- 計算問題の苦手意識をなくしたい!
- 独学で合格を目指す人におすすめの参考書は?
- 学習計画と方法が知りたい!
今回はこのような声にお応えします!
一級建築士試験の中でも、「構造」は論理的で専門的な内容が多い科目です。
普段聞き慣れないような専門用語が多く登場するのも1つの特徴です。

初めは問題文の意味を理解するのも大変ですよね。
そこで、「構造」科目の特徴を踏まえて攻略方法や学習計画についてまとめていきます。
「構造」科目の特徴


特徴は3つです。
- 計算問題が6題ほど出題される
- 専門性が強く問題文の理解が難しい
- 点数配分が30点と他の科目と比べて割合が高い



もう少し詳しく教えてほしいです。
計算問題の出題


たわみや振動など建築構造に関連した問題が出題されています。
「構造」科目が30点満点であることを考えると計算問題を捨てるのはかなりリスクが大きいです。
その割にしっかり勉強していないと、手も足も出ないことになってしまいます。
問題文の理解
専門用語が文章に出てくるので文章が複雑になりがちです。
初めは抵抗がありますが、1度用語を学習すると問題内容は単純なことに気づきます。



文章が難しそうだと感じるのは見かけだけということですね。
点数配分について


点数配分は「法規」科目と同じで30点分あります。
5科目全体で125点分なので、「構造」と「法規」で半分の割合を占めています。
この2科目で点が取れるかどうかで、学科試験に合格できるかどうかの見通しが大きく変わってきます。
計算問題攻略のポイント


計算問題の攻略には2つのポイントがあります。
- 問題へのアプローチと解法手順を覚える
- 演習で問題パターンを理解して応用力をつける



計算問題の理解度によって学習内容も違ってきますね。
問題へのアプローチと解法手順を覚える
問題を読んだ時にどのように解くか方針を決めます。
例えば静定構造に関する問題であれば「未知数を文字でおく→公式を使って式を立てる→方程式を解く」という要領です。



問題を読んだ時にどのように解くか方針を決めます。
問題のアプローチと解法手順が知りたい場合は以下の参考書がおすすめです。解法手順が分かりやすくまとめられています。


パターンを繰り返して応用力をつける
問題の解法手順がイメージできるのであれば、問題演習を繰り返して応用力をつけましょう。
実際に問題が解ければOKです。多くの問題は1つの解法手順を覚えておくだけで対応できるようになります。
問題パターンの数をこなしたい場合は、以下の参考書がおすすめです。たくさんの問題パターンが収録されています。


公式を覚えるコツ


構造の計算問題を解くには公式の暗記が必要です。
公式を暗記するときは似たような公式との混同を避けるために、式の中にどんな文字が表れているか、実際のイメージと一致するかを考えると良いです。
例えばたわみの公式を覚える際には、「断面を大きくするとたわみが小さくなる。」や「部材の長さを長くするとたわみが大きくなる。」ということをイメージと結びつけます。
また、「集中荷重の方が分布荷重よりもたわみが大きくなる」といった2つの公式の比較もしておくとより暗記しやすくなります。
絶対に理解したい建築構造用語


構造の問題に取り組むのに必要な基本用語をまとめます。意外と正しく理解していないこともあるので復習も兼ねてしっかり理解しましょう。
応力 | 柱や梁などの部材に生じる単位面積あたりの力。部材の断面内に生じる力なので内力でもあります。 |
剛接合 | 曲げモーメントを負担する部材の接続方法。外力が加わっても接続部の角度を保ったまま部材が変形します。 |
ピン 接合 | 曲げモーメントを負担しない部材の接続方法。外力が加わった際は接続部の角度が大きくなるように変形します。 |
ヒンジ | 剛接合だった部分が外力による変形によって塑性化し、ピン接合に変わった状態。ヒンジが生じると曲げモーメントが負担できなくなり、変形が大きくなります。 |
剛度 | 断面二次モーメントを部材の長さで割った値。「部材が短い→剛度が大きい→変形しにくい→応力が大きくなりやすい→他の部材と比較して破壊しやすい」と、結びつけて理解しましょう。 |
座屈 | 圧縮力を受けた部材が圧縮方向とは直交方向にはらみ出す現象。 |
弾性域 | 部材が変形した際にもとの状態に戻る変形の領域。ちなみに、許容応力度計算は弾性域内で構造計算をします。 |
塑性域 | 弾性域を超えて部材が変形した際に、もとの状態に戻らない変形の領域。ちなみに、保有水平体力計算は、塑性域を考慮した構造計算をします。 |
降伏点 | 弾性域と塑性域の境目の点。降伏強度とは降伏点の強度を示します。 |



日常生活の中でも、理解を深めるヒントがたくさん隠れていますね。
学習計画の立て方と実際に使用した教材


「構造」科目は点数配分が30点と高い分、試験直前まで集中して学習を続ける必要があります。
学科試験突破には学習必須の計算問題ですが、計算問題を解けるようになるまでには多くの時間が必要です。
試験直前で焦らないようにするためにも、計算問題の学習スタート時期は早めに設定しておくことをおすすめします。
トータルの学習期間を2月〜7月の6か月間で考えたときの例をまとめます。
2月 | 計算問題学習(過去問や参考書) |
3月 | 計算問題学習(過去問や参考書) |
4月 | 計算以外の問題(過去問アプリや参考書、模試の復習) |
5月 | 計算以外の問題(過去問アプリや参考書、模試の復習) |
6月 | 計算以外の問題(過去問アプリや参考書、模試の復習) |
7月 | これまでの学習を総復習・学科試験 |
『ポイント整理と確認問題』


- 要点を絞って各科目・各分野ごとに簡潔にまとまっている
- 解説に加えて図や表も多いのでわかりやすく、初学者にもおすすめ
- 要点の解説の後に確認問題が載っている
「一級建築士」受験対策(アプリ)
- 19年分の過去問が収録されている
- 各科目(法規以外)・各分野ごとに要点整理の解説がついている
- 携帯1つで場所に限らず勉強することができる
目標点数と足切りライン


過去5年分の足切りラインをまとめます。
「法規」科目と比べると低めなので、得意な人はもっと高い点数を目標にすると良いです。



目標点数は23/30点です。
令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | 令和5年 | 令和6年 |
16/30 | 16/30 | 16/30 | 16/30 | 16/30 |
例年、半分以上の16点が合格の最低ラインになっています。
まとめ
いかがでしたか?
今回は「構造」科目の特徴や学習計画についてまとめました。



計算問題は解法手順とパターンの演習が大事だとわかりました。
構造だからと恐れずに、学習を継続して学科試験合格を目指しましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。