- 学科試験を独学で突破するための暗記のコツは?
- どんなことを意識して学習するのが良い?
- 実際に使用した教材を教えてほしい!

今回はこのような声にお応えします!
資格の勉強をするのに避けて通れないのが暗記ですよね。
「環境・設備」科目ではその仕組みを覚えることも多く、ややこしく感じている方も多いのではないでしょうか?
今回は、試験の内容を踏まえて暗記方法や実際に使用した教材について紹介していきます。
「環境・設備」科目の傾向と注目ポイント


「環境・設備」科目は20点満点で、その内訳は環境工学から10点、建築設備から10点です。



どちらもバランス良く学習する必要がありますね。
環境工学からは日照や音響、色彩など基本的な内容を出題されます。この分野は、出題傾向が大きく変わらないので、過去問を繰り返すことで点数が取れるようになります。
建築設備からは空調設備や衛生設備の原理や種類などが出題されます。設備の原理を理解するのは難しく、種類を覚えるのも一苦労します。
近年の地球温暖化の影響で省エネが重視されるようになってきました。「環境・設備」の科目では省エネの視点をもって学習しましょう。二次試験の設計製図試験でもこの視点がとても大事です。
覚える際のコツ


「環境・設備」の学習で意識した暗記のコツを紹介します。
実生活でも有用な覚え方なのでぜひ参考にしてください。
- 理解することに時間を使う
- 日常と結びつけながら覚える
- 図は何度も書いて覚える
- 略称はもとの意味も合わせて覚える
理解することに時間を使う
数字と文章を単に覚えるよりもその理由や背景も合わせて覚えたほうが頭に入りやすいです。



理由を知っておくと思い出しやすくなります。
例えば・・・
内容 | 背景・理由 |
---|---|
排水の二重トラップは禁止 | 流れが悪くなりメンテナンスが大変 流水時に異音がする |
排水には通気管を設ける | トラップの封水を保護するため |
日常と結びつけながら覚える


学習した知識よりも、実際に目で見た知識や体験した知識と結びつけたほうが頭に入りやすいです。
例えば、お風呂のシャワー温度が、急に熱くなったり冷たくなったりしたことはありませんか?給湯設備ではもともと高温のお湯を作っていて(レジオネラ属菌を防ぐため)、シャワーの直前で冷水と混ぜて適温に調整しています。
仕組みを覚えるときは何度も書いて覚える
目と頭で読んで学習するよりも、手を動かしながら覚えたほうが効果的です。
図を覚えるのに限らず、ノートにまとめながら覚えるのも、人によってはとても効果的な覚え方です。
アルファベットなどの略称はもとの意味まで合わせて覚える


数字やアルファベット文字は意味をもたせながら覚えると効果的です。
「環境・設備」科目ではたくさんの略語が登場します。何の英語の略なのか意味まで結びつけると、頭に入りやすくなります。
試験に出てくる主な略語とその意味をまとめます。
略称(正式名称) | 大まかな意味 |
---|---|
BEMS (Building Energy Management System) | コンピューターによるエネルギー管理システム |
ZEB (net Zero Energy Building) | 年間収支エネルギーをゼロにすることを目指した建物 |
CEC (Coefficient of Energy Consumption) | 年間消費エネルギー量を年間仮想負荷で割った値 |
COP (Coefficient of Performance) | 冷暖房能力を消費電力で割った値(指定条件) |
APF (Annual Performance Factor) | 冷暖房能力を消費電力で割った値(年間) |
PAL (Perimeter Annual Load) | ペリーメーターゾーンの単位面積あたりの年間熱負荷 |
ERR (Energy Reduction Rate) | 建物の省エネルギー量を基準エネルギー量で割った値 |
BELS (Building Energy Labeling System) | 建築物省エネルギー性能表示制度 |
実際に使用した教材


「環境・設備」科目で実際に使用した教材を3つ紹介します。使い方や筆者の実際の感想も書いているので参考にしてくださいね。
『ポイント整理と確認問題』
- 要点を絞って各科目・各分野ごとに簡潔にまとまっている
- 解説に加えて図や表も多いので分かりやすく、初学者にもおすすめ
- 要点の解説の後に確認問題が載っている
筆者は、試験直前もこの参考書を見返すことが多く初めらか最後まで利用していました。この一冊だけでは試験突破は難しいので、過去問と併用して学習するのがおすすめです。
「一級建築士」受験対策(アプリ)
- 19年分の過去問が収録されている
- 各科目(法規以外)・各分野ごとに要点整理の解説がついている
- 携帯1つで場所によらず勉強することができる
一級建築士の教材の中でも、筆者は特にこのアプリはよく使っていて、使った時間も一番長かったです。このアプリがあれば、他の過去問題集は必要ないと感じるほど役立ちました。
『ヴィジュアルで要点整理 1級建築士受験基本テキスト 学科II(環境・設備)』


- 環境・設備の分野に限定して詳細に解説が載っている
- 索引があるので学習したい内容探しやすい
設計製図試験にも活きる


「環境・設備」科目は2次試験の設計製図試験にも必要な知識が多いです。代表的なものを紹介します。



後に必要な知識だとわかっていると、学習への取り組み方も変わってきますね。
給水方式
水道直結直圧方式、水道直結増圧方式、ポンプ直送方式など様々な給水方式があります。
設計製図試験では建物の規模や用途、目的に合わせて自分で選択することになるので、しっかり理解することが大事です。
給水方式 | 直圧方式 | 増圧方式 | ポンプ直送 |
---|---|---|---|
断水時の 給水 | 受水槽分 | ||
停電時の 給水 | 低層は可能 | ||
設備スペース | 不要 | 小(増圧ポンプ) | 大(受水槽) |
換気方式


第1種から第4種まであります。設計製図試験の記述で問われることもあるので特徴を覚える必要があります。
方式 | 給気 | 排気 | 補足 |
---|---|---|---|
第1種 | 機械 | 機械 | 室内圧を自由に調整できる |
第2種 | 機械 | 自然 | 汚染物質の流入を嫌う清浄室やボイラー室に適する |
第3種 | 自然 | 機械 | 臭気を周囲に漏らしたくない厨房やトイレに適する |
第4種 | 自然 | 自然 | 換気量が安定しないが、最も省エネ |
省エネルギー手法
設計製図試験では地球温暖化や建物のランニングコストを考慮して、省エネルギー手法を実際に採用して建物を設計します。
学科試験で登場する用語もあるので、意識して覚えましょう。
- ヒートポンプ
- 自然換気
- LEDライト
- クールチューブ
目標点数と足切りライン


過去5年分の足切りラインをまとめます。
「計画」科目と同じ目標点数です。学習次第で十分に狙える点数なので頑張りましょう。



目標点数は15/20点です。
令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | 令和5年 | 令和6年 |
10/20 | 11/20 | 11/20 | 11/20 | 11/20 |
令和3年から令和6年までは11点以上が必要点数ですが、令和2年は難易度が高く10点になっています。
まとめ
いかがでしたか?
今回は「環境・設備」科目の特徴や、暗記のコツをまとめました。



すぐに実践できる覚え方もあるので試してみます!
内容を理解するのも覚えるのも継続して学習を続けるようにしましょう。皆さんの学科試験突破の参考になれば幸いです。